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「とにかく前向きなエネルギー、もらえます!」劇団TEAM-ODAC『舞台・破天荒フェニックス~2023~』日向野祥さん、瀬戸啓太さん、鏡憲二さんに稽古場直撃インタビュー!

倒産確実と言われたメガネチェーン・OWNDAYS(オンデーズ)、その若き社長となった田中修治が手加減なしに襲いかるピンチを破天荒なアイデアで乗り越え、ウソみたいに復活する様子を描くノンフィクション小説『破天荒フェニックス』

劇団TEAM-ODACが舞台化し、早くも三度目の再演。前作をさらにスケールアップしたストーリーに期待しつつ、日向野祥さん、瀬戸啓太さん、鏡憲二さんのお三方にお話を聞いてきました!


まず皆さまの役どころと、キャラクターの魅力など教えてください。

日向野)「田中修二」という実在する人で、ひと言でいうと破天荒な人間なんですけど(笑)こう、新しい事に挑戦をするっていう勇気や意味を教えたり。なんだけどその当の本人も決して凄く強いわけではなくて、やっぱり人間なので凄く弱い部分もあり、頼りたい部分もあるけれども、何て言うんだろな、自分の立ち位置を敢えて演じてるように感じるっていうか、僕は。みんなの前はこうだけど、この人の前だと素が出せるとか、なんかそういう部分が凄く人間味が溢れてる、だからこそいろんな感情にもなるし、喜怒哀楽も激しい。ただ真っすぐで、だから破天荒だって言われるんだろうなって思いますね。人生に波はありますけど、大波の人生ですよね(笑)

原作小説を読みましたがなかなかのアップダウンですもんね。

瀬戸)僕は「心の友」っていう役なんですけれど、田中修治の心の中、友と言われる部分と悪と言われる部分が二つあって、破天荒側を担ってるんですね。今、祥さんも言ったんですけど、いろんな波があるじゃないですか。いろんな人との関わりがある中で接し方が変わってきたり。それって表で見てると『この人何考えてるかわかんない。この人にはこうだ、あの人にはああだ』って。でも心の中で実は人間らしくいろんな葛藤があったり、そういう部分がちゃんとあるんだぞっていうのを、僕が友と悪とをちゃんと演じ分けないといけないなって思ってるところです。心の中の人格と言うか(日向野さんの方を向いて)この人を作り上げてる人格というか。ピッコロ大魔王で言う大魔王と神様みたいな(笑)

瀬戸さん、もしやドラゴンボール直撃世代ですね(ニヤリ)

鏡)僕は「高橋賢一」っていう役をやらせてもらうんですけど、元々は窓際族、ただ内なる闘志みたいなのを持ってる人物で。田中さんが入ってきたことで感化されて、田中さんの真っすぐな姿勢に同調して、最終的には縁の下の力持ちみたいな感じで支えていくっていう。「やっぱ田中社長の言ってることに共感できる、僕が発する言葉にも全部賛同してくれるからスゴイ心強いパートナー」っていう形で演じさせてもらってるんですけど、なんかお芝居やってく中でも日向野くんが僕がやったことに結構リアクションしてくれたりするんで、めっちゃ楽しくやらせてもらってます(笑)

日向野さんは11/24「本当にメリハリのある素敵なカンパニー」「毎日、楽しい」とツイートされていました。

鏡)めちゃくちゃ嬉しかったすわ~、あれ(ほほ笑む)

日向野)劇団さん・制作さん、いろんな現場をやらせていただく時に、もちろんその現場の色があると思うので、その色に合った進め方っていうのがあるんです。僕、このODACさんは久々にこう・・・、まず劇団員の方々がこんなに居ると思わなかったんですよ。総勢30人とかって聞いて。コロナ禍も経てこのご時世で劇団の数が減って来てるって感じてるんですよね。でもこんだけ人が居るってきっとそこに何かあると思うんですよね。そこで稽古をしていく中で、みんながこう率先して動けるんですよ。それって当たり前のことなんだけど当たり前じゃなくて。意外とだらけちゃったりとか、なぜって身内だから。仲間だし慣れちゃってるから。でもそれを感じてなくて、休む時は休む、やる時はやるっていう、演出の哲平さんをはじめ皆さんプロだなって思いました(力強く)

なので、そういうツイートをさしてもらったというか、普段あんまりガンガンツイートするタイプじゃないんですけど、なんかそういうのを感じて、やってて楽しいというか。久々にこう、芝居を作ろうよっていう空気感が。何が悪いっているわけでは無いんですけど、大きい作品もいろいろやらせてもらったりとかすると、なんかこう商業的になっちゃうじゃないですか、どうしても。決まった期間でこれでって。そうなってしまうところを、やっぱりそうじゃなくて、みんなでぶつかって作り上げて、今もこう皆さん動いてくださって、ほんとに皆さん礼儀正しいし、ほんとに素敵なカンパニーだなっていう、のがその理由なんです。

鏡)最高っすね・・・(噛み締める)

今日はイイ酒呑めますよ!

鏡)いや~、今日は美味いな~、絶対美味いな~(一同ほほ笑む)

鏡さんいかがですか?劇団に迎える側として今のお話を聞いて。

鏡)いやもう、めちゃくちゃ嬉しいっすね~。でもなんかこう僕らも意識してることが伝わってる感じが、結果として言われたらやっぱり嬉しいっすね。やってて良かったな~みたいな。当たり前にやってることなんですけどやっぱそうなんだなって思いますね。

日向野)外部の人だから余計感じるよね。

瀬戸)それはそうですね。

鏡)しかもいろんなところ行ってる人たちだから。

瀬戸さんは11/9「主演に祥さん。ほーほー勉強させていただきます!笑」とツイートされていました。稽古中でも既に感じるところはありますか?

日向野)書いてたね、発表された時か(笑)

瀬戸)書きましたね(笑)僕は祥さんとの付き合いはもう6年目ぐらいに入って。別作品で相方をやることがあって、それを4年ぐらいやってたんですよ。だから結構何でも知ってるつもりではいて。お芝居もこういうテイストで来るんだろうな、とか考えてるからこそ心の友はやりやすかったりするんです。日常でも周りをよく見てるというか。例えばさっきの人数の話とかボソっと言うんですよ「めっちゃ人いるね」って。でも僕まだ何のこと言い出したのか分かんなくて「え?まあ遅い時間までいるよね」とかって噛み合ってなかったり(笑)。

コント的なズレが(笑)

瀬戸)人のこと良く見てるんですよね。僕も結構人のこと見るタイプではあるし、今自分こうやって行った方がいいかなって思ったりするんですけど。ほんとに人のことを見てるし、それをなんか背中で伝えてくれる、みたいな。僕は「今日めっちゃ〇〇してたや~ん」とか「〇〇してましたよね」とかって言っちゃうんですよ。けどなんかそれを言わずともみんなにちゃんと伝えられてる後ろ姿って、僕には無いところなんで、カッコええな~って思って。自分もそうなりたいなって思いつつも、まあこの両極端がいるから、それはそれで面白いのかなって思ったりもしてて。昔から僕に無いところを多く持ってると思ってるので、取り入れる取り入れないは別として、自分の引き出しとして持っておきたいなって思っていろいろ見てます。

憧れの先輩ですか?

瀬戸)(わずかに間を空けて)はい

鏡)間があった!

日向野)本人目の前で(笑)

瀬戸)いや、好きな人なんで、憧れと言うか。僕が勝手にライバル視してる部分もあるんです、ふふふ。

過去二回の公演をご覧になった方は、特に劇団TEAM-ODACファンの期待も上がっていると思います。

日向野)やっぱり三回目なので、プレッシャーはありますけどね。絶対比べられちゃうし。でもきっと、僕が演るなら僕の田中修治という人間であって。もちろん限界まで挑戦を常にしたいですし、もっともっとやれるはずなのにやっぱり追われちゃっててどうしてもまだ・・・というのが出てきたり。でもやっぱりみんなを振り回して、気付いたら、後ろ振り返ったらみんなが付いてきてたっていう素敵な人生だなってすごい感じるんで、やり切りたいですね。

瀬戸)僕としては、前回心の友を演じてた田中尚輝くんは結構仲良くて、プライベートでも連絡させてもらったり。彼だったらどうするのかなってやっぱ考えますけど、でも、そもそも軸が違うんだから変わって当然だよなっていう気持ちもあるんで、なんか主人公の田中修治は変化を見られるところかもしれないけど、僕はこっち(日向野さん)を中心に作ってるんであんまりそのプレッシャーを感じてないですね。

鏡)一回目・二回目と僕は同じ役で出てるんで、でもなんかプレッシャーとかは無いですね。逆に新しい人たちと新しい作品、みたいな感じで。なんか全然別ものなんで、僕的には新鮮な気持ちでできてます。人が変わったら感じ方も伝え方も変わってくるんで、なんかそのへんスゴイ新鮮な気持ちでできてるなって思いますね。

それでは最後に来場を迷ってる方の一押しになるひと言をお願いします!

日向野)この作品ってすごく勇気を与えてくれたり、活力をもらったりとか、すごくエネルギーに溢れてると思います。ここまで破天荒な人って自分に重ねるというよりは、なんか「こういう人いるんだ」っていう。人間でここまで頑張れるんだったら私もとか、ちょっとでもネガティブになってる時にこの作品を観てもらったら、すごくエネルギーを与えれるんじゃないかと思ってて。もちろんいろんな理由で観に来れない人もたくさんいると思うんですけど、観てもらったらとにかくパワーをもらって帰れると思います。一回観てもう一回観たいって思わせる作品にしたいと思いますし、コロナ禍を経てほんとに世の中が変わったと思ってるので、今この作品をやる意味があるんじゃないかなとすごく思います。

瀬戸)みんな、心のどっかに破天荒な部分って持ってると思うんですよね。会社員として働いてる方も『ここで、こう言ってみたらもっと会社として伸びるじゃないか。でもそれって私が言うことじゃないよな』とか、そこで留まってしまって何も成せてないこととかあると思うんですよ。破天荒フェニックスって実話を元に書かれてるお話なんで、そこ一歩踏み出したらこういう未来が待ってるかも!って、結構前向きなことを考えられると思うんですよね。留まってる自分、落ち込んでる自分が前向きになる何かを感じれるハズなんで、迷ってることがある人こそぜひ観に来てほしいなって思います。

鏡)この作品ってもともとビジネス小説で起業家の人たちにも売れた本なんですけど、ほぼ実話を忠実にやってて。今よく見かけるオンデーズが、こういう時代があってこういう波があったんだ、それを乗り越えたからこんだけ展開できてるんだっていう、本にでもならないと会社の歴史を知る機会ってなかなかないじゃないですか。それは結構見てる人に勇気を与えるというのもありますけど、ひとつの知識として持っておけば、どっかのタイミングで何か決断する時に、田中さんのことを思い出して、ちょっとやってみようかなって思える。そういう人たちがキャラクターとして他にもいるんですよ。田中さんの側にいる高橋もそうなんです。誰かのおかげでこう一歩踏み出せたっていう、高橋みたいな作品になればいいなって思いますね。ぜひ観に来てください!

稽古前のお忙しいところありがとうございました!


■日向野祥:ヒガノショウ

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■瀬戸啓太:セトケイタ

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■鏡憲二:カガミケンジ

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@kenjikagami6589


■公演情報

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劇団TEAM-ODAC第42回本公演

『舞台・破天荒フェニックス〜2023〜』

【日程】2023年12月6日(水)〜12月11日(月)

【原作】田中修治『破天荒フェニックス』(幻冬舎)

【脚本・演出】笠原哲平(TEAM-ODAC)

【劇場】こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ

【チケットはこちら!】

S席 9,500円 A席 8,500円

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■聞き手

稽古場にお邪魔したわけですが、日向野さんおっしゃる通り皆さんにちゃんと挨拶され、帰りも皆さんから「ありがとうございました!」と送り出された私。この一体感に早くもエネルギーをもらいました。本番も期待しております!

スレンダー川口

@slender_kg

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