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8/21初の野外ビッグマッチ「WRESTLE PETER PAN 2021」富士通スタジアム川崎大会を控える、CyberFight・高木三四郎社長に聞いてみた!

DDTプロレスリングは1997年3月のプレ旗揚げ戦を経て5月に正式旗揚げ。当時は新日本プロレスと全日本プロレスという二大巨頭が業界をけん引しており、DDTは当時、亜流ともいえるエンタメ路線に舵を切る。既存のプロレスファンからは否定的な意見も見られたものの着実に「DDTプロレスのファン」を増やし、日本武道館・両国国技館でも大成功を収める。団体設立20周年となる2017年9月にサイバーエージェントグループ入り。

そのプロデュース力で”大社長”とまで呼ばれる高木三四郎社長にお話を聞きました!


― 経営者でもありプロデューサーでもありレスラーでもある高木社長ですが、本日は企画・プロデュース面を中心にお話をお聞きしたいと思っております。よろしくお願い致します。

高木三四郎(以下高木):はい、よろしくお願いします!(力強く)

― 以前から路上プロレス、総選挙、ビアガーデンなどなど斬新な企画をどんどん実行されています。どのようにアイデアを生み出しているんでしょうか。

高木:路上プロレスは、その昔サバイバル飛田さんという方がいろんな怪人と試合をしていたんです。それはもう川口浩探検隊のイメージ。中でも怪人と河川敷で戦ってたことが原形です。場外乱闘を敷地以外でやっていたという。そもそもアマチュアプロレスはリングのないところでもやってましたし、インディーが乱立してくると場外カウントなしの試合もありました。リングがないのを引きにして「路上プロレス」としたところ見事にハマった感じですね。

ビアガーデン自体は1996年後楽園ゆうえんち内のルナパークで面白い企画が実施できないかというのがきっかけでしたね。劇画タイガーマスクを見ていてもお酒とプロレスの相性がいいなというシーンも出てきますし(笑)、試合が終わるとみんなで呑んでましたし。ビアガーデンって歌謡ショーとセットになることも多い。他のジャンルでよく目にする何気ない相性の良さ。僕が屋台村プロレス出身でもあるし「これは盛り上がるんじゃないか」と思ったんです。

― 私も初めてビアガーデンプロレス「闘うビアガーデン」に行った時なんかは、あの一体感に驚きました(笑)

高木:選手が直接ビールなど販売して、お客さんも選手と触れ合える。選手・お客さん共に楽しんでたということでしょうね。いずれにしても引きのある言葉に「プロレス」を付けたら許されちゃうというか、プロレスという言葉の魅力ですね。

―(2017年3月のさいたまスーパーアリーナ)「信長の野望」戦国武将マッチなんて「シブサワコウ35周年」でした(笑) 特にゲームファンは喜んだと思うんですが、そういう意味ではプロレスファン以外もやはり意識されていますか。

高木:2010年にさいたまスーパーアリーナで実施された「KOEI Presents 戦国武将祭」で、レスラーが様々な武将に扮して戦ったんです。僕も出させてもらって(その時さいたまアリーナで初試合だったんですけど)、エイベックスさんのアーティストはじめ豪華声優陣も多数出演していて、これは世間に届くなと。

鎧とかちょうど戦国武将祭で使ったものが残っていたのでそれを使わせてもらって(笑)

僕自身、「信長の野望」はパソコン版の頃からやってたゲームですし、アイデアというか自分がやりたかったもの、ハマったものを次から次にやっている感じですね。

― 2018年の年越しプロレスでは黒い三連星※も後楽園ホールに参戦し、ジェットストリームアタックまで敢行していました。世代的にやはりガンダムもお好きですか?

※高木三四郎選手、宇藤純久選手、鈴木秀樹選手による裸体にペイントを施した3体のドム的な選手が登場

高木:まず宇藤選手がガンダム好きだった。年越しだし面白いことやろうよと。宇藤選手に鈴木選手を連れてきてもらって3人いるしドムをやろうと。最初、ダンボールでやろうかと思ったんですけど「ドムっぽい体系してるし」でペイントしちゃえと。口で「シュ~」って言いながらジェットストリームアタックやりました(笑)

― あれはバズりましたよね。私の周りのガンダムファンも大いに喜んでました。

高木:味をしめてその後2019年の両国大会で、これまた着ぐるみではなくペイントでガンダムをやったんですがバズんなかったですね。やっぱりボディペイントにして体系もはまってたからドムは良かったんです。できればユニバースで動画配信したいですね(笑)

僕はガンプラを並んで買いに行った世代ですし、後半なぜかイデオンと抱き合わせで売られてたんですけど、シャアザクがなかなか買えなくて・・・とか。そこを知ってる世代にプロレスファンが多いこともありやっぱりバズったんでしょうね。

― 今年2月には秋山準選手、3月には岡田佑介選手が入団、いわゆる「王道プロレス」経験者が入団し、アイデア面で注目されつつも本格的なレスリング面も強化されているように感じます。

高木:プロレスは伝承していくものだと思います。メジャー団体ではそれこそ一子相伝的に。団体間で考え方・スタイルが微妙に違います。DDTがやってきたレスリングだったり技術だったりスタイルはどこにも負けないという自負はもちろんあるんですけど、ベースとしてハイブリッドスタイルでいろんなイイところを取り入れて進化していくというモットーがあります。

秋山選手の「俺の持ってるものを伝承したらどんな選手が生まれるのか」といった何気ないツイートを拝見していて、コロナ直後にDMでオファーしたのがきっかけです。秋山選手がジャイアント馬場さんから受け継いでいるものをDDTに取り入れたかったというのがありますね。

― 海外からも売り込みも増えているのではないでしょうか。

高木:海外からの売り込みも多いです。CyberFightの社長として見られていますから、DDTに限らず各団体への参戦希望が各国から来ますね。こないだなんかイワン・マルコフ(10年ぐらい前にDDTに参戦)から紹介されたとか。「紹介」ってなんだよって(笑)

言葉が通じなくてもわかってもらえるのがプロレスの特色だと思います。日本のプロレスはテレビ放送があったからビデオテープが残ってる、それをマニアが手に入れる。メディアが発達してたから映像として日本のプロレスが広がったんだと思います。

海外のレスリングスクールはピンキリなんですが、派手な技・攻撃ばかり教えるところも多いんです。授業料を払うからみんなすぐ試合したがるし地味な基礎練をやらない・やらせないとか。道場を持って住み込みで教えるっていうのとは育成の考え方が違ってますね。

― 育成についてのお考えもぜひお聞かせください。

高木:育成ってほんとに時間がかかるんですよ。その中でスターになるのも一握りで。育成部門と興行部門も分けるべきだなと思っています。こないだ発表した「DDT10代プロジェクト」の通り、やはり学生や10代の子たちに間口を広げていきたいですね。

この時代、人材の確保はほんとに重要で大変です。今ではメインイベンターに成長した竹下幸之介なんかは17歳でデビューして、しかも日本武道館で。そういう人材が10年たってDDTの中心にいます。10年後20年後を見据えて獲得していきたいですね。

― そしてまたプロレスラーに限らず、5月からSKE48の荒井優希さんまで参戦されています。これは一体どのような経緯だったのでしょうか。

高木:うちでアイアンマンヘビーメタル級(24時間いつでもどこでも選手権試合が可能)のベルトがありまして、SKEの須田亜香里さん、松村香織さんから荒井さんに移って。アイドルのまんま参戦してもらったことがありました。身長も167㎝あってリング映えしてて。いいな~と思って何度も説得して3年がかりで出てもらいました(笑)

グループアイドルで選抜に選ばれる人物なんかはポテンシャルが違う。スタミナに関してはそもそも毎日のように2時間公演とか歌って踊って、日々のレッスンも有酸素運動を相当やってますから。そして何より勘がイイのが素晴らしい。

― SNSでも絶賛されていますね。

高木:例えば、ダンスレッスンの時に見たものをそのまますぐにできるとか、その点ではダンスとプロレスの練習に共通点はあります。リズム感があるのもプロレスに向いてます。お客さんの求めるリズムを感じ取れるというか。大仁田さんもよく「テンポが大事」とおっしゃいます。

あとこれはホントに一番大事なことで、「緊張しない」んです。AKBグループとしてドームやアリーナなんか経験してるし、デビュー戦でも「全然緊張してないです」と言ってましたし。緊張すると実力の40%が発揮できてやっと。でも緊張しないしスタミナあるから100%出せる。ちゃんとお客さんも見えてるしベテラン感がありますね(笑)

― そして今週末8/21(土)には、「WRESTLE PETER PAN 2021」富士通スタジアム川崎大会が控えています。

高木:DDT初の野外でのビッグマッチですからね。ぜひお楽しみに!

― 「WRESTLE PETER PAN 2021」の対戦カードごとに見どころを教えていただけますか。

■対戦カード

○アンダーマッチ

納谷幸男&中村圭吾 vs 岡谷英樹&高鹿佑也

高木:野外でやるのは戦い方も違うしお客さんへのアピールも違ってくるし。彼らにはなかなかないだろうし、ぜひそこを経験してほしい。その姿見てあげてください。

○第0試合~電流爆破8人タッグデスマッチ

大仁田厚&高木三四郎&彰人&伊藤麻希

 vs

クロちゃん&スーパー・ササダンゴ・マシン&黒田哲広&乃蒼ヒカリ

高木:クロちゃんは一回大仁田さんに勝ってますし、その二人の遺恨に注目ですね。

乃蒼ヒカリが初電流爆破という点も見どころですね。デスマッチ好きを公言してますし。

川崎大会ということで大仁田さん※には即オファーしました。

(※FMW時代、毎年GWは川崎球場大会が恒例であった)

○スペシャル10人タッグマッチ ~エル・ユニコーン&イルシオンデビュー戦

HARASHIMA&吉村直巳&岡田佑介&今井礼夢&エル・ユニコーン

 vs

岡林裕二&TAMURA&渡瀬瑞基&飯野雄貴&イルシオン

高木:10代プロジェクトとして始まった13歳のユニコーン、18歳のイルシオン、そして今井礼夢選手も16歳、DDTの未来を見せる試合になると思います。

今はもう我々の時の10代と違って大人びてるというか、オリンピックでも10代の若い選手が活躍していましたし、若い人たちがスターになれると期待しています。

○ダブルリング・ダブルシングルマッチ

大鷲透 vs アントーニオ本多

男色ディーノ vs 平田一喜

※2つのリングで同時に試合を行います。

高木:2つのリングで同時進行ですので絶対に普通じゃ終わらない。必ずDDTのバラエティ要素が詰まった試合になるでしょうから、そこをお楽しみいただければ。

○スペシャルハードコアタッグマッチ

勝俣瞬馬&MAO vs クリス・ブルックス&葛西純

高木:葛西純が久々のDDT参戦という点、勝俣はデスマッチをどんどん経験して名を上げてますし、MAOはちょうど8/15後楽園でハードコア柔道を戦ったばかり、クリス・ブルックスはイギリスではデスマッチやってましたし、この試合はタイトル通りスペシャルなハードコアになるでしょう。

○KO-D6人タッグ選手権試合

<王者組>遠藤哲哉&高尾蒼馬&火野裕士

 vs

<挑戦者組>樋口和貞&坂口征夫&赤井沙希

※第43代王者組3度目の防衛戦。

高木:赤井沙希さんが自身の所属するユニット「Eruption(イラプション)」の存在意義を主張したところから始まってますし、王者組含め強いメンバーばかりの中で赤井沙希がどう存在感を出すのか、どこまで頑張れるのか、注目ですね。

○DDT UNIVERAL選手権試合

<王者>上野勇希 vs 佐々木大輔<挑戦者>

※第4代王者7度目の防衛戦

高木:佐々木がずっとベルトを盗んでイライラさせているという、挑戦者のペースになってます。上野は冷静に戦ってほしいですね。上野は佐々木をいったいどう攻略するのか。上野は伸び盛り、今一番ノッてると思うので彼のターニングポイントになる試合だと思います。

○メインイベント~BLACKOUT presents KO-D無差別級選手権試合

<王者>秋山準 vs 竹下幸之介<挑戦者>

※第76代王者4度目の防衛戦。

※勝者にはDDT公式エナジードリンク「BLACKOUT」販売元の株式会社キャスティングドットジェイピーより勝利者賞が贈呈

高木:三回目のシングル(過去二回秋山が勝利)、今回竹下は6月~7月に行われた「KING OF DDT 2021」トーナメントを制しての挑戦。一方秋山選手は今すごく調子が上がってます、同い歳と思えない(笑)

秋山選手はほんとに上手くて相手にエサをまいてそれを回収していくという。一点集中に優れているというか、一挙手一投足に注目してほしいですね。パワーとか勢いで竹下に分があるものの経験値・テクニックで戦う秋山選手、半分ぐらいの年齢差でもありますし私も非常に楽しみです。

最後に、DDT初の屋外のビッグマッチになりますし、開放感あふれるところで試合を見てもらいたいし、それを含めて楽しみにしてほしいです!

■注目の川崎大会、チケット購入はこちらから!

https://www.ticketpay.jp/booking/?event_id=33502

こちらから当日12時まで前売り料金で購入できます!ぜひご利用ください!

◆大会特設ページ

https://series.cyber-fight.co.jp/wrestle-peter-pan

■取材を終えて

高木社長の「自分がやりたかったもの、ハマったものを次から次にやっている感じ」という言葉に、だから共感を呼ぶんだな~と感じました。私もプロレスファンでありますがこのラインナップを夏の野外でぐわ~っと楽しみたいところ。わくわくさせてくれるこの感じ、皆さまに伝われば幸いです。

今日もプロレス最高っ!

聞き手:スレンダー川口

https://twitter.com/slender_kg

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