アメコミや映画を集めた世界最大級のポップカルチャーイベント”コミコン”が今年も大阪で開催されました。中でもアメパトブースにはアメリカンポリスも多数駐在。ものものしい雰囲気に反してフレンドリーなおじさんばかりというギャップ。そりゃ興味が湧きますよね。代表のゴンさんと車両担当のヤスさんにお話をお聞きしました。
ーー大阪コミコンの撮影ブースは大好評でしたね。
ゴン)ありがとうございます。たくさんのご要望にお応えしてなかなか取り回しが大変でしたけど(笑)、こちらも楽しくやらせてもらいました。
ーーそもそも「LE装備会(エルイーソウビカイ)」とはどういった団体なんでしょう。
ゴン)日本名はLE装備会、英語名はJULES Alliance(Japan U.S. Law Enforcement Supporters Alliance)なんですけど、日本でアメリカ法執行機関を応援している有志の団体なんです。
ーー Law Enforcement=法執行機関 の装備会、難しい感じに聞こえますが…
ヤス)興味のある人なら誰でも参加できるんです。装備規定なんてのもありませんし、それこそ毎月イベントをやってますし、そこは間口をすごい広げてて、別に何も持ってなくてもいいみたいな。
ゴン)成り立ち自体はまあ3人ぐらいで、いわゆる「サバゲー」で何の格好しようか、みたいなのがキッカケだったんですよ。LE装備って言われるものを、アメリカンポリスだったりコツコツ始めてたら、どんどん人が増えていったという。
ーー今何人ぐらいに?
ゴン)400人ぐらいです。北は北海道から南は九州、韓国の方とか海外の方も多いですね。現役のアメリカ法執行機関の方、退役された方も繋がりがあります。
ーー本物志向の方もアドバイスがもらえるんですね。
ヤス)全然可能です。ゴンさんがずっとやりとりしてますし、毎年アメリカにも行ってます。

ーー僕の友達が30年近く前に気軽な気持ちでサバゲーサークルに参加してみてたら、「朝走って体力つけろ」「格闘技も習って来い」とかなかなかに厳しい条件だったと。
ゴン)あ~、昔はフィールドも全然少なくて、気軽にやってみたいのに間違って本格的なところに入っちゃうと、走り込みだとか体育会系のところもあったりとかね。今日来ていただいたここは「DEFCON1(デフコンワン)」っていうミリタリーショップで、まあ〜居心地が良くて入り浸ってるんですけど(笑)、いろんな装備も売ってます。例えばamazonとかでベストを買ってここでどんどんアイテムを買い足すみたいな感じで始めてもいいし、いろいろ情報交換に来てもらってもいいし。「出会いの交差点」って呼んでます(笑)
ーー沼にハマって行けそうですね。
ゴン)ハマってくうちにまたいろんな人脈が広がってくんですよ。彼なんかは車キッカケなんですよね。
ヤス)僕はFORDのエクスプローラーに乗ってたところからなんですよ。装備から始まる人もいるし、映画から始まる人もいるし、同じく車から始まる人もいるし。みんなそれぞれの「好き」で集まってったんですよね。
ゴン)いろん~な職業の方いるんですよ、ホントに。 自衛官から警察の方から、消防とか広告代理店とか。
ヤス)お医者さんもいますね。
ゴン)他にも電気、水道、ガスのインフラ系、ビルメンテに製造業、いろんな人たちがいて「これ、街できちゃうんじゃないか?」ぐらい(笑)
ヤス)こういうコミュニティの場を使って、例えば実際仕事につなげたりとかもありますし、電気系統とか分からなかったりすると電気系統の強い人にちょっと聞いたりして。
ーー解決しちゃうんですね。
ヤス)LE装備会って会はみんなそれぞれ好きなことやってるんですよ。車を直したりする人、サバゲーをやってる人、コスプレとか撮影会をやっている人、あとフリーマーケットやってる人とか。
ゴン)あとタクトレ(タクティカルトレーニング)とかね。
ヤス)コミュニケーションとってずっとお話してたりとか、もうみんなバラバラで別に何をやっててもいいよっていう。
ゴン)そこにチームとかグループって入れちゃうと、崩壊しちゃうケースがどうしても出てくるじゃないですか。好きな人が来ればいいし、合わない人は来なくてもいいし、みたいな。
ーーアメパトから知った者としては皆さんアメ車、アメパトを持ってるのかなって思ってました。
ヤス)全然全然!この400人が持ってたらスゴイことですよ。
ゴン)最初、1台も無かったんですよ。サバゲーから入ってるんで装備はちゃんとしてるんですけど、車がなかったんですよね。そしたら彼が車持ってるから、良い車だねって始まってどんどんどんどん増えてったんです。今は30数台かな。
ーーそれ制作会社の人が喜びますよ(笑)
ゴン)はい、選べる30数台(笑)
ヤス)アメパトを作ってくれる車屋さんってあんまり無いじゃないですか。やっぱり知識がないとダメなんで。入間のBPコーポレーションさんってアメパトを輸入してきて整備して販売されてて。そこといろいろ親しくさせていただいて、整備してもらったりアメパト欲しいんだよね~っていう人には「良いショップあるよ」って紹介してあげたりとか。特殊な車両ですし、法的な知識もちゃんと持ってないとヘタすると捕まっちゃいますから(笑)
ーーアメパトなのに捕まっちゃう(笑)
ヤス)そこら辺も結構分かってくれるショップさんなんです。緊急車両系、劇用車系乗るのであれば、こうしないといけないですよ、こういうことしちゃダメですよっていう、オーナーさんにはちゃんと法の知識を入れてもらって乗ってもらうと。
ーー公道でサイレン鳴らしちゃダメですもんね。
ゴン)もちろん!光らせてもダメです(力強く)
ヤス)僕らといっしょにイベント出展する時は、ちゃんとルールを守ってもらえる人でないとダメですってお伝えします。どの業界にもやっぱりルールを守らない人っているじゃないですか。そういう人たちと一緒にやっちゃうと全員仲間だと思われちゃうんで、そこは自分たちとみんなを守るって意味でも、ちゃんとお断りをしてますね。
ーー基本自由とはいえ、最低限のルールはね。
ヤス)車両関係は公道で鳴らしたり光らしたりはダメだよっていうところからですね。最近はお仕事で官公庁系、市が運営しているお祭りだとかのご依頼も多くなってますから、コンプライアンス的な問題もありますし。
ゴン)そういうイベントだと県警さんと並んだり、隣が白バイだったりするんですよ。
ーーそれこそルール違反は即お縄じゃないですか(笑)
ヤス)なかなか変な人は入れられないというか。ちょっと前にニュースで偽物の覆面パトカーがタクシーに突っ込んだっていうのがありましたよね。日本車を覆面パトカーに改造した一般人が、公道で赤色灯を鳴らしながら交差点を緊急走行してタクシーに突っ込んじゃったんですよ。警察の方とかにも聞いたら、やっぱり結構厳しくなってきてるよみたいな。
ーー「もう作るのもダメ」ってなりかねないですね。
ゴン)そうなんですよ。もともとが狭い趣味じゃないですか。ちゃんとルールを守って楽しまないとその世界自体無くなっちゃうよって。
ヤス)自分たちの好きな趣味を自分たちで首絞めるわけにもいかないんで、やっぱりこういう目立つ車を乗ってる分、見られ方も意識しながら模範となる運転をしてもらって、ルールを守って楽しみましょうと。細々と~でもいいんですよ。
ーー細々って言う隣でゴンさんは絶対ラリアット強そうな腕してるという(笑)
ゴン)ふふふ、体型的にはそうですね(笑)
ヤス)間口は広げてるんですけれども、さらにコアな、マニアックな設定をして撮影をしたいっていう要望には、「オペレーション」っていう形で選抜した人間を呼んで撮影ができるようにしたりしてます。
ーーそれこそ特殊部隊ですね。
ヤス)他にもそれぞれの要望・レベルにあった編成をしてますし、年一回の「LEコンフィデンシャル」という祭典も11月に開催してます。
ゴン)お祭りですよね。日本に限らず台湾・韓国・中国・ベトナムとかアジア圏からの参加も多いですよ。まあ映画の影響が大きいですよね。ニューヨークの警察がやりたいとかFBIがやりたいとか、 コスプレしたいっていう点でもファンが増えてきてるというか。
ーー配信で映画・ドラマがたくさん見れるのも大きな要因かと。
ゴン)自分たちは実在する法執行機関に基づいて装備を構築してる。だから車だけではないんですよ。総合的に構築していく中で車もある。多分、コミコンの時も車だけだったら人は集まらなかったと思うんです。装備を身にまとった我々、35人ぐらいいたんですよ。
ーーもはや軍団ですよ!
ヤス)ほんとにたくさんのお客さんが来てくださったので、それでも足りないぐらいでしたけどね(笑)。メンバーは皆さんこだわりがある人を呼びました。装備だけじゃなく所作だったりも練習して、逮捕するのにもたもたしてられませんから。そうやって車だけではなく総合的に演出させてもらいました。
ーーかれこれどれくらい活動されてるんですか。
ゴン)もう立ち上げて8年、ヤスが合流してから5年ですね。いきなりあれ持ってるんですから(駐車場に停まってるエクスプローラーを指差す)
ーー「ちょうどええわ!」と(笑)
ヤス)最初はただのアメ車好きから入った感じです。もともとサバゲ―とかやってたのでLE装備には興味を持ってたんですけど、その知識をネットだけで得るには限界があって、そういう意味ではやっぱりここ(DEFCON1)がまさに交差点なわけじゃないですか。
ーーお互いに「ちょうどええわ!」ですね。
ヤス)ふふふ。「そういうのを調べたかったら、これを読んだ方がいいよ」とか教えてもらってどんどんどんどん知識が豊富になったり、更にこだわりを持っている人、やっぱり上には上がいるので、その人が目標になってったりとか。
ーー大阪コミコンで展示された車両はどちらもFORDでしたね。
ヤス)ニューヨーク市警とFBIやUSMARSHALの合同捜査をイメージして、実際にアメリカで使われてたSUV型のパトカー、アメリカでは現在主流に使われてるパトカーの「FORD POLICE INTERCEPTOR UTILITY」と、ニューヨーク市警の1990年-2000年初頭に主流だったセダン型のパトカー「FORD CROWN VICTORIA POLICE INTERCEPTOR(NYPD)」です。映画では沢山使われたことのある有名な車両で、かつ映画の中で1番壊された車ナンバー1といっても過言ではありません(笑)
ーーすぐ側にはそれらの解説をできる人たちがいっぱいいるという。
ゴン)コスプレしたのが全部で35人ですからね(笑)
ヤス)もはやひとつのアトラクションとして楽しんでもらえたかも。
ーーSNS見ても満足度が高かったみたいです。
ゴン)特にコミコンの特性でコスプレーヤーもたくさんいるわけで、バットマンが「捕まりたい」なんてのもあるんですよ(笑)。他にもストームトルーパーが大挙してやってきたり。なんかコスプレの人たちには夢の空間でもあったんじゃないかなって思うんです。
ヤス)ワイスピのダンテも捕まえてましたし、ジョーカーの人なんてすごく良い写真でしたよね(笑)



ゴン)とあるプロレスラーの方なんて4、5回来てましたからね。
ーーほんとはパトカーの上からダイブしてド派手に受け身をかましたかったのかも(笑)
ゴン)あれは今までなかった空間ではないかなと思います。ちゃんと後ろが牢屋になった空間で、更にジャッキーちゃんの寸劇まであって(笑)
ーー隣はFUELFESTブースでしたね。
ヤス)カスタムカーたくさん並んでましたね~。映画「ワイルドスピード」の世界観が感じられてすごく良かったです。実は今、8月のFUELFESTでも何か面白いことできないかって先方とお話させていただいてるんですよ。映画的にも相性が良いですから。
ーーおお~、楽しみです!ところで、名刺の裏に「アメリカ法執行機関の地位向上」とあります。
ヤス)僕らから見ると、アメリカの法執行機関と言われている警察なんかは「ヒーローだ!」みたいな感じだったりするんですけど、実は向こうでは結構蔑まれたりしてるんですよ。
ゴン)制圧が発端で暴動に発展したりとか凄い環境が悪いんです。普段でも「うわ、また来たよ」「今度は犬連れて来たよ」とか、向こうでは尊敬されてないんですよ。
ヤス)だから例えば撮影で殉職とか汚職とかリスペクトじゃないものはやめようねっていう。 制服警官がバーンと打たれてたり、犯人に土下座をしてる写真とか撮ったり、本人たちは楽しいのかも知れないですけど、それをSNSに上げたりすると海外の人たちも見てますから、それがどう思われるのか。アメリカの警察の方も年間もう何百人と銃で撃たれたり殉職してますから、そこに遺族の悲しみがある中、笑いながら警察官を殉職させる画を撮っていいのかと。
ゴン)ちゃんとストーリー性があって、例えば「映画のあのシーンを再現したいんです」だったらまだ分かりますけど、遊びながら殉職や汚職とかっていうシーンはね。絶対やっちゃいけないことってやっぱりあるんで。
ーー「再現したい」は「映画リスペクト」ですもんね。
ゴン)ですね。自分たちがリスペクトして活動することによって、将来的に向こうの地位向上、待遇・環境が改善される、何か力になれば良いなって思ってます。
ーーそれが実現できたら素晴らしいですね!さっきまで楽しいことやってますみたいな感じやったのに、めちゃくちゃ良い話ですよ!
ヤス)僕らこの日本でもコツコツと撮影協力や、地域貢献活動っていう形で子供たち向けイベントにも参加したりとかして。そのあたり日本はやりやすいですよね。
ゴン)更に今SNSでこう世界に発信できる時代じゃないですか。やっぱり凄い見てくれてて、向こうの警察官の人たちから「リスペクトしてくれてありがとう」って連絡きたり。そこから繋がってくれてどんどん大きくなって現地から来てくれて、このお店にその来てくれた方の制服飾ってますよ。
ヤス)仲良くしてる連邦機関のトップだった方が「寄贈するよ」って下さったんです。SWATの元コマンダーだった方、司令官ですね。向こうのミリタリー雑誌、特殊部隊の雑誌の表紙になった方で、特殊部隊の人たちからすると神みたいに崇められてる方なんです。

ゴン)SNSっていう媒体のおかげで繋がりが持てて、日本にも呼ぶことができた。向こうの人たちからは「君たちイカれてるね!クレイジーだね!」って言われてますよ(笑)。3人から始めたことがこんな道筋を作れるとは思わなかったし、ありがたいことに年月を経てどんどん大きくなってきてますね。
ヤス)それに賛同してくれる方も増えましたし、基本的に僕ら楽しんでやってる部分ももちろんあるんですけど、その名刺に書いてある通り芯を一本、ちゃんと柱を立ててるので、だからまあブレないですよね。
ゴン)悪い意味じゃないんですけど、志のない趣味人って多いんですよ。僕らは趣味であっても、絶対こうやるんだっていう志のある、プロフェッショナルでありたいですよね。
ヤス)ただ、僕らがやってるだけで強制はもちろんしないです(ゴンさんも大きく頷く)。多分好きでやってくれてる人はいつの間にか同じ志になっていると思います。
ゴン)「走り込んで体力つけてこい!」なんて言いませんよ(笑)
ーー安心しました!(笑)。また次のオペレーションに期待しております!

左が代表のゴンさん、右が車両担当のヤスさん。
両親が警察犬と言うジャーマンシェパードのMIYAちゃんもいっしょに。
LE装備会のお二人が「ワイルドスピードの世界観が良かった」というFUELFESTは、この夏富士スピードウェイで開催!チケット好評発売中!

【FUELFEST JAPAN 2025】開催概要
日程 2025年8月11日(月曜日・山の日)3連休最終日
内容 日本最大のカー・フェスティバル FUELFEST JAPAN 2025
会場 富士スピード・ウェイ(〒410-1307 静岡県駿東郡小山町中日向694)
時間 10:00~18:00
!チケットはオフィシャルサイトで大好評発売中!
https://www.ticketpay.jp/search/?keyword=fuelfest
■取材協力
ミリタリーショップ「DEFCON1」
@DEFCON_tactical
千葉県印旛郡酒々井町中央台1-28-5
平日10:00〜20:00/土日祝08:00〜20:00
TEL)090-2496-7827
定休日)月木
酒々井駅近く。印西の各フィールドさんから車で5-10分圏内。電子ターゲットシューティングレンジもあり。DMに通販も対応可。






