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「腹筋を書いてからシューズの紐をキュンキュンに締めるのがルーティンです(笑)」赤井沙希選手インタビュー!

今年5月、キャリア10年を迎えようという中、突然の引退会見を行い業界もファンも騒然となったのは記憶に新しいところ。引退メモリアル写真集の発売直前に控えた赤井沙希選手に現在の心境をお聞きしました!


改めてデビュー10年で引退を決断されたお気持ちは?

赤井)求められてるうちにとか、上ってる最中に自分の意志で卒業したいというのは何となく前から思ってたんですよね。ビッグマッチが終わると「次はここだ!」って発表されて、そこでウチらも初めてびっくりして。あそこで試合したいな~とか、来月あそこで試合があるからそこに向けて調整しなきゃな~とか、ほんと区切りってものがなくて。それが皆さん長く続けちゃう要因だと思うんです。ほんと自分もそうで。かといってしんどい思いも多くて、でもそれ以上に楽しかったり充実した日々を過ごせてたので、辞める理由も無かったんです。でも先のことを考えると会社にとっても自分にとってもファンの方にとっても、自分の役割というか置かれてる立場とかキャラクターとか考えると、未来のみんなにとってよくないな~ってことを感じて、独りよがりの想いだけで続けるのは良くないなって思って決断しました。

「求められてるうちに」っていうのはあらゆる一流選手がおっしゃいますね。

赤井)いやいや私一流では(笑)でもなんか求められなくなって細々と自己満足でやってくよりも、ちゃんと自分のプロレス界に来た使命を全うする、できることをやり切って、う~ん、ゴールなんて無いんですけど。もちろん私より先輩で現役を走り続けてる皆様は尊敬していますし、先輩方にモノ申す意味じゃなくて、自分の選手としてのキャラとかポテンシャルとかを考えて、“プロレスラー赤井沙希”というパッケージとして完結させるには、この10年っていうタイミングで、これが11年・12年じゃだめで、10年ってところが自分の一番美しい幕引きのタイミングかなって思いました。好きなのに別れるみたいな感じです(笑)

引退会見がもううるっと来ちゃいました。ご自身もいろいろ蘇ってきていたようでした。

赤井)泣きたくなかったんですよ。ブスになるし絶対写真いっぱい撮られるから(笑)でも社長とマスコミの方の言葉で「うう…」って。でも大量のフラッシュでむしろ目が覚めたというか『あ、落ち着かなきゃ』って冷静になれました(笑)

まもなく(8月10日)発売される“引退メモリアル写真集「GRACIA」”は引退を決意されてから作りたいとお考えになったんですか。

赤井)昔から写真集とかグラビアって、例えば『グラドルになってヤンジャン・ヤンマガの表紙やりたい』とか強く思ってたわけじゃなかったんですけど、自分がプロレスと言う選択をしてここまでやってきて、貴重なこの10年、やってた自分とやってなかった自分では顔つきも体つきも全然違ってたと思うんです。プロレスラー赤井沙希が居たってことを形として、等身大の自分を残したいなと思って制作しました。プラチナム(所属プロダクション)にプロレス引退しようと考えてますってお話した時に「プロレスを手伝うことはできないけど何か出来ることない?」って言ってくれて、「写真集とかどうですかね・・・?」って言ったら動いてくれて。話を持って行ってくれたところがフライデーで、一発で決まったみたいな感じです(笑)

タイトル「GRACIA」はスペイン語で気品・優美・面白い・寵愛をうけるとかいろんな場面で使われる単語ですね。写真集の内容にも反映されていますか?

赤井)そうですね、一番おっきな部分は「ありがとう」っていう「GRACIAS」からですね。「10年間ありがとうございました」っていうと今終わるみたいになっちゃいますけど、全然私これからめちゃめちゃ試合も控えて大変なのに(笑)今私があるのはファンの方もスタッフさんも関わってくれた皆さんのおかげなのでその意味も含めて「ありがとう」ですね。あと「三美神」からも来てるんですよ。自分の最大のフィニッシュムーブがケツァル・コアトルっていう女神様の名前からきてる技なので、自分は女神様っていうのもわりとキーワードというか、その女神様がなかったら今こういうタイプにはなってなかったと思いますし。

2019年、舞台FGOに「ケツ姉」として出演されてましたね(『Fate/Grand Order THE STAGE -絶対魔獣戦線バビロニア-』でルチャ・リブレを愛する陽気な女神、ケツ姉ことケツァル・コアトル役として出演)

赤井)そうですそうです、ケツ姉!アステカ神話とかなんで言葉とかスゴイ難しくて、初めて「ケツァル・コアトル」を聞いた人は「ん?ケツある?何?」って(笑)

ひとつめの「ア」は小さい「ァ」ですしね。

赤井)ゲーム好きでプロレス好きな方は、赤井沙希が演じるってことできっとテンション上がったと思うんですよ。舞台ってお客さまは声出しちゃダメじゃないですか?でも私がそのシーンやった時はみんな手拍子やったり歓声出したりして楽しかったみたいで。あと舞台キッカケでプロレス観に来てくれたり。イベントって会場に足を運ぶってひとつハードルだと思うんですけど、舞台をよく観るお客さまは足を運ぶっていうハードルは既にクリアしてるわけで、その選択肢のひとつにプロレスがあったらいいなって思います。

それめちゃくちゃ業界貢献してますよ!

赤井)舞台でプロレス・アクションやりましたけど、ずっと路上プロレスですよ(笑)もともと『めっちゃテレビ出たい!天下取ったるねん!』って思ってたわけでもなかったので、メディアに出る時に「モデル・女優・プロレスラーの赤井沙希」って紹介よりも「プロレスラー赤井沙希」でいいですって言ってましたし、プロレスをDDTを知って欲しいって思うようになって出てました。プロレスラーって紹介された方がギャップもあるし興味を持ってもらえるかもって。

以前TVで「腹筋は書いてます」とおっしゃってましたが写真集の中でも?

赤井)今は自前の腹筋です、ありのままの姿で(笑)フライデーさんが制作してくださったんで、フライデー本誌の方でもいくつか載せてもらってます。気まずいぐらいバキバキに割れてます。こっちで個性出すしかないやって。でも試合は今でも書いてます。おまじない、うん、ルーティンです(笑)試合前はチョコラBBの一番高いヤツを飲んで、コンビニで売ってる一番高いヤツ、そして腹筋を書く、最後にリングシューズのヒモをキュンキュンに締め直す。

よくレスラーの方がまだ靴紐結べてないのに入場曲が鳴っちゃうっていう夢を見るって聞きます。

赤井)あ、私は「家でごろごろして生配信を見てたら自分のテーマ曲が鳴っちゃう」っていう夢を見ました。「え!私まだ家だけど!?」って(笑)

遅刻どころではない!しかしまた現代的な夢ですね(笑)」

赤井)アップデートされてます、令和の悪夢(笑)

写真集としては何冊目になりますか?

赤井)写真集自体は3冊目なんですけど、業界でも紙で写真集を出すこと自体がだいぶ減ってきて。私の場合はプロレスの会場でお客さまにも手に取ってもらえるように本として並べたいというのを必ず条件にってお願いしました。あと会場のちっちゃい子とか女性のお客さまが気まずいものは出したくないってお願いしました。SNSで写真上げたりすると外国の方とかsexyってコメントくれたりするんですけど、「お、こりゃもっと行くのか?」ってコメントも来るかと思ってたんですけど、いくつか「これ以上布の面積減らさないで」「頼むから脱いだりしないで」ってコメントくれたり、なんかずっとまっすぐでいて欲しいんだなあってあったかい想いを感じました。

3冊だと全部買って成長を追ってみることもできますね。

赤井)あ!今回のスタイリストさんが最初の17歳の時の写真集の時のスタイリストさんと偶然同じ方だったんですよ!17歳の時の自分を知ってもらってるのでそこはちょっと恥ずかし部分もあったんですけど、「筋肉ついたね~」とかって話と「芸能界とかいろんなところに長く居るのに性格変わってないね、よく擦れなかったね(笑)」って喜んでくれました(笑)周りのひとが良かったんです。

思えばデビュー間もない頃に両国でダイブするところを観戦したんですが『冨永愛みたいな細身の体格でスゴイな~』って見てました。

赤井)嬉し~!私、週プロ名鑑に10年間好きな有名人に「冨永愛」さんって書いてます。

なんと!あ、週プロ名鑑ちゃんと読んでなくてすみません。でも手足が長くて映えるな~って。

赤井)あのころ私、プロレス技とかも詳しくなくて、飛ぶのやってみたらって勧めてくれたのは飯伏さんだったんです。

※今もコーナーから場外へ果敢にダイブする

引退後も芸能活動は継続されると思いますが、個人的には仮面ライダーの悪役なんかハマると思ってるんです、アクションも即いけますし(笑)

赤井)私悪役やりたいんですけど、でもキャラ的にはちょっと立場が上の悪役になりそうで。悪の幹部ってあんまりアクションしないじゃないですか?できればアクション派新人悪役として(笑)

最後に引退後これやってみたいってありますか?

赤井)今はただ如何に自分の思うプロレスラーとしてどう走り抜けるのかって考えてます。ケガしたりって覚悟はしてるんですけど、欠場なんて最悪中の最悪なんで、とにかく11月12日までは走り抜けようって考えてます。でもいっこだけ絶対やりたいことは、次の日のこと気にせず好きなものをめちゃめちゃ食べたいです。むくみとか太るとか気にせず、めっちゃしょっぱいものとめっちゃ甘いものを死ぬほど食べたい。年末年始をプロレスラーとして過ごさないなんてことがなかったで、どんな気持ちでジャニコン見ればいいんだろうな~。むくんだ状態でだらだらしたいです!(笑)


■赤井沙希プロフィール

父は元プロボクサー・俳優の赤井英和。2013年8月にプロレスラーデビュー。DDTの紅一点として激闘を繰り広げている。現在は坂口征夫、岡谷英樹とのユニットEruptionで活動中。2023年11月12日、東京・両国国技館で引退試合を迎える。

Twitter)

https://twitter.com/SakiAkai

instagram)

https://www.instagram.com/saki__akai/

■赤井沙希プロレス引退メモリアル写真集『GRACIA』

(8月10日発売 講談社 税込3,850円)

撮影テーマは「ひとりの女性として、等身大の赤井沙希」。

コスチューム姿での臨場感あふれる練習風景では、これまでの努力の裏側が垣間見られる。

そのほか、プールサイドでの水着姿や、大胆にもランジェリーがはだけるベッドシーン、バスルームでは洗練された美裸身を披露。

鍛え抜かれた肉体美は圧巻だ。女性ファンにも多く支持される彼女らしい、クール&ビューティーな表情を捉えた。

リングでは見られない〝ありのままの赤井沙希〟を凝縮した今作は、ファンならずとも必見の一冊だ。

■赤井沙希引退試合「Ultimate Party 2023」

日時:2023年11月12日(日) 開場12:30 開始14:00

会場:東京・両国国技館

ぜひ皆さんで赤井沙希選手を送り出しましょう!


<取材を終えて>

実は私、ちょっと年齢は離れてますがお父様赤井英和さんの高校の後輩にあたります。よく高校にも来てくださって豪快な笑顔で接してくれたのは良い思い出です。その赤井先輩の娘さんということで勝手に親戚のように応援してました。写真集と共に引退試合も応援したいと思います!

今日もプロレス最高っ!

スレンダー川口

 @slender_kg

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