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「ベルトに旅させるほうが絶対面白い」ユニバーサル王座防衛戦を直前に控えた高梨将弘選手インタビュー!


ユニバーサルのタイトルを獲ったあとタッグパートナーであるクリス(ブルックス)選手とはどんなお話をされましたか。

高梨)もともとユニバーサルの初代王者はクリスなんですよね。「そのベルトをマサが獲ってくれて嬉しい。俺も前にエクストリームのベルトを獲ったけど、それも昔マサが巻いてたベルトだったから嬉しかったよ。」って。KODタッグの方は残念ながら落としてしまいましたけども、アジアドリームタッグのベルトを僕たちCDKとしてしっかり守っていくっていう意識になりましたね。

また絆が強固になったわけですね。

高梨)ユニバーサルのベルトとアジアドリームタッグのベルト、わりとコンセプトは似ているんですよね。アジアドリームタッグはもともと「プロレスリング我闘雲舞」のタイ支部で作ったベルトで、10年前に自分たちがタイでプロレスを始めた時期の前後1・2年で東南アジアにプロレス団体が増えるというムーブメントと重なったんですよね。で、5年ぐらい前にそういった選手みんなで争えるような、アジアのスターを生むようなベルトっていうコンセプトで作ったんですよね。

まさにアジアドリームを。

高梨)世の中の状況が(コロナで)変わってしまうその少し前にユニバーサルのベルトもできて、初代王者がクリスっていうことでスゴイ意味が生まれたと思ったんですよね。でも状況が変わってしまって、どちらのベルトも本来のコンセプトから形を変えた活動をしてたと思うんですよ。アジアドリ―ムはチョコプロの配信って形で英語の実況も多くして世界に届けるって形になって。ユニバーサルの方も当初の海外展開っていう狙いから変わっていったと思うんですよね。状況的に。

変わらざるを得なかった状況ですね。

高梨)でも今自分が両方のベルトを持ってて二つのベルトがリンクするんですよね。先日もタイでアジアドリームの防衛戦をやったんですけども、東南アジアはまだキャリアの浅い選手が多くて近隣から選手を集めるんですね。インド・タイ・シンガポールとか。いろんな国に新しいコネクションが生まれるんです。「CDKはスケジュールどうなってんの?」って聞かれますし、ユニバーサルのベルトを獲った時にも海外の選手からすごくメッセージもらいました。もっと海外に来るんじゃないかって期待してもらってもいます。

熱い国からの熱視線ですね。

高梨)DDTユニバ―スやチョコプロの配信見てくれてる方が、海外の試合に合わせて観に来てくれて「カナダから来たんだ!今度は俺たちの国にも来てよ!」とか、そういうのモノスゴく嬉しいですよね。選手たちからもお客さんからも直接会場で言ってもらえるってモチベーションあがりますよ、実感してます。

それめちゃくちゃ嬉しいですね!

高梨)僕自身がアンテナ張ってるからってことじゃなくて、皮膚感覚として実感できる状況にいられるので、これは大事にしたいですよね。その分DDTに出れない、チャンピオンなのに出てないってこともあったりしますけど、「申し訳ないな・・・」ってなるんじゃなくてむしろDDTにイイものを持ち帰れるんじゃないかって思います。

外から体験を持ち帰る、共有するというのは発展の常ですもんね。

高梨)クリスとの海外遠征では、なるべく現地の国の状況とかお客さんの状況だったりを伝えるようにしたり、この前も現地大会のウォッチングパーティをしたり、日本はじめ他の国のファンにも伝えていけるんじゃないかな、CDKだから出来るんじゃないかなって思いますね。そういう意味でもアジアドリーム、ユニバーサルのベルトを保持してくのは必要なことだと思いますね。

とても説得力を感じます。

高梨)ベルト持ったから漠然と海外に行くんじゃなくて、自分で動いた結果そうなってく人間がこのベルトを持つべきだと思います。自分が考えるユニバーサルの方向性ってことで言うと「それをやる人間が持つべきベルト」だと思います。だからこのベルトを大事にしたいですよね。

お話聞いてるとCDKのチームワークが良い理由が分かります。同じ方向を向いてプロレス界を生きてるからなんだなと。

高梨)クリスもイギリスがホームですけど、今ここ日本にいるわけです。たぶんですけど、アメリカに行く方が違和感あるんじゃないかなって。前に行ったことがあるところだから「戻る」って感覚になっちゃう。まだやってないことをやりたい意識が強いんだと思います。「タイってすごく楽しいところだよ、東南アジアの仲間が集まるし」って一緒に行って、クリスはそれをすごい楽しんでくれて。今度は自分がクリスの故郷に行くんですよ。

9月にイギリス遠征ですね。

高梨)クリスが「俺の実家に泊りなよ、朝ごはん美味いからさ!」とか「このバーいいよ!」とか、相手のキャリアを共有するっていう楽しさもありますよね。二人だからより新鮮で楽しくなるし。あ、タイでクリスがトゥクトゥク(三輪タクシー)に乗りたいって言うから乗ったんですよ、ひとりで行ってたら乗りませんけど(笑)。あとおっきなMBKってショッピングモールにドンキホーテが入ってるんですけど、歌がちょっと違うからクリスが戸惑ってたりとか(笑)。クリスはタイでもいろんな国の選手から「うちの国にも来なよ」って言われて、自分が「スケジュールもあるから来年には行きたいね」って言ったら「来年じゃ遅いから11月だな」とか言っちゃう。「おい、それほんとすぐだよ!」って(笑)

10月にドイツもありますもんね(笑)

高梨)クリスとは価値観が一緒というのもありますし、こっちから楽しいものを発信していけば、みんながいっしょにCDKの旅路を楽しめるっていう風になればいいなって思いますね。昔って海外遠征は情報が遮断されてて凱旋帰国したらビックリするみたいなのがありましたけど、今ほとんどの団体が配信してますし、みんなで見れますし。今回ユニバーサルのベルトが出来てから初めて海外に行ったんですよ。この環境になってよりドラマチックなベルトになったと思いますよね。

対戦相手となる上野選手についてはいかがですか?

高梨)自分は1年半ぐらい欠場して復帰して、クリスとCDKとしてタイトルも獲ってDDTの第一線に帰ってきたって意識があるんですよ。でも今の第一線を戦うDNA世代の選手と戦う、それこそこの前のMAO選手のユニバーサルに挑戦するってすごい刺激的だったんですよ。今のDDT面白いなって思いましたし。そのDNA世代の中で上野選手ってシングルで戦ったことがなくて、組まれたけどケガで流れたり。でも活躍は見て分かってましたから、DNA世代でこの選手は外せないなってことで挑戦者に指名させてもらったんですよね。

黒パンツの頃から格段に成長した上野選手と初シングル、おっしゃる通り新鮮だと思います。

高梨)彼はすごいスマートだなって感じてて、発言も前向きでエースの言葉なんですよ。自分が何を言ってるのか、どんな見られ方するのか、どんな責任が生まれるのかっていうのも理解して覚悟を持って発言してますよね。相手も立てるし主人公的な感じですよね。

かなり認めてらっしゃいますね。油断を感じません。

高梨)それでいて少し「毒」も持ってると思います。これは腹黒いって意味じゃなくて、何て言ったらいいか・・・。うかつに触れちゃダメな部分があるなって。自分なんかは試合前後の発言とかインタビューも勝ちに結びつくように戦って行きますけど、彼は発言したら自分の考えを落ち着かせてその日のうちにまた肉声で発信する。肉声で伝えるってまた伝わり方が違うじゃないですか。納得させられるというか。若い選手って身体能力でガンガン攻めることが多いんですけど、意外にもそんなことしてくるんだな~って。

上野選手の「毒」、気になります。

高梨)その毒が何なのか触れてみたい気もしますけど、自分の直感だとそこに触れると一気に浸食されちゃう気がしますね。そこを見極めるのが今回の戦いのテーマです。見極めきれなかったらやられちゃうんじゃないかな、フフフ(笑)


<高梨将弘>

MASAHIRO TAKANASHI

長きに渡って職人気質の便利屋として与えられたポジションを全うし、その姿勢と巧さがファンから指示され、KUDO、坂口征夫とのユニット「酒呑童子」ではスポークスマン的な立ち位置で存在感を発揮していたが、現在は、クリス・ブルックスとのタッグチーム“CDK”として活躍している

Twitter)

@masaddt


■取材を終えて

ユニバーサル王座の名の通り積極的に海外展開を考える王者:高梨選手、その高梨選手が言う上野選手の「毒」っていったい・・・。気になります!

今日もプロレス最高っ!

聞き手:スレンダー川口

https://twitter.com/slender_kg

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