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【TJPW】「試合中ピンチの時に、挿入歌を頭の中で鳴らすんです!」東女特撮部x鈴村展弘監督、特撮愛がほとばしる20,000字ロングインタビュー【前編】

3.29TJPW両国大会『GRAND PRINCESS ’26』にはニンジャレッド&ゲキレッド&ゴーオンレッドがやってくる!ならば数々の特撮作品を手掛けられた鈴村監督にぜひ“東女特撮部”の特撮愛をぶつけていただこうと思い、対談していただきました!

企画・文:スレンダー川口

https://x.com/slender_kg

中島)我々“東女特撮部”を名乗らせていただいております。そもそも特撮好きのよく遊ぶ三人組みたいな感じだったんですけど、試合でこの三人が揃うときにおもちゃを持参したのがきっかけです(笑)

鈴村)おもちゃを持参?それを武器として使っちゃうわけじゃないですよね(笑)

中島)いえいえ、大事なものなのでそれは。入場の時に持ってきていっしょにポージングさせていただいたりとか。私は変身アイテムだったり剣です。

愛野)私はアンクの腕だったり、子ども用を無理やり付けて(笑)入場してます。

風城)基本ドライバーなんですけど、たまにこの試合はこれにしようとか、状況に合わせて選んでます。

鈴村)「ドライバー」って言うあたり、プロですね(笑)。でも今おもちゃってサイズが大きいですよね?昔は戦隊の変身ブレスだったり小さかったけど、今デカいから持っていくのも大変じゃないですか?

中島)そうですね。私が持ってった一番おっきいのはギャバンのレーザーブレードで、これぐらいの(約81cm)。周りの大人が気を付けてます(笑)

鈴村)それ、ほんとに武器になっちゃいますよ!

愛野)大きめのものというか、両手に持ってきます。スパイダークモノスのセットを両手に持って。やっぱり持てるものは全部持っていきたい(笑)

風城)私は仮面ライダーWが一番好きなので、ファングを指してるのが一番でかくて。試合ではそれなんですけど、イベントとかだったらー

鈴村)え?「試合では」「イベントでは」それってどういうことですか(笑)

風城)試合のそういった時はドライバーがメインなんですけど、イベントとかの時はオージャカリバー、でかいオージャカリバーを持って。頑張って電車移動しました。

鈴村)あんまり大きいおもちゃを持ち歩いてると、職質されちゃいそうですけど(笑)皆さん沢山おもちゃ持ってそうですけど、今おもちゃも高いですからね。かなり散財しちゃうのでは?

愛野)気づいたら、大変なことに。大変大人な金額を。

鈴村)ですよね。ところで皆さんは特撮好きって事ですけど、そんな3人が集まったっていうのは偶然なんですか?

中島)過ごしていくうちにお互いの趣味が分かっていき、映画観に行くぐらいから始まって。仮面ライダーは結構周年とかやってくださるんで徐々に。

鈴村)なるほど。最初は特撮好きかどうかなんてわからないですもんね。いきなりおもちゃ持ってくるわけじゃないですしね。周年ね。まあ周年自体は毎年何かしらありますからね。でもそれが皆さんの特撮好きというのをお互い知ることになるとは。

中島)はい。あと戦隊シリーズってずっとやっていたのでそれぞれの世代があるじゃないですか。三人とも年齢はバラバラなんです。彼女(風城)は十代で、この二人(中島・愛野)は三十代。

鈴村)そうなんですね。幼い時に見てた戦隊が違うとちょっとショックだったり?「あ、私その戦隊はちょっとわかりません…」とか言われちゃうと(笑)

風城)ゴーオンジャーと同い年です。

鈴村)ああ、ゴーオン。え、ゴーオンジャーと同い年!?

中島)私はジェットマンと同い年です。

鈴村)ジェットマン。なるほど。あんまり言っちゃうと年齢ばれちゃいますよ(笑)じゃあ結構世代がバラバラなんですね。でもよくそれで話が合ったりしましたよね。 

中島)やっぱり悪を倒すっていう、ここは根幹として変わらないじゃないですか。なんで、おすすめをお互いにシェアし合って「これは凄く良いね」とか。ハルは全然カクレンジャーの頃に生まれてない子なんですけど、30周年にあたってどうしても見て欲しくて。

鈴村)あ、え?まさか1話から全部ってことですか?

風城)はい、見直してます。全部。

中島)彼女はその世代ではないんで、カクレンジャーを知らないんですけどその良さをわかって欲しいんです。全部見返すと大変でしょうから、この話のこのシーンが如何に良いかという説明をしてます。

愛野)私もカクレンジャーを見れてないんですけど、中島さんがカクレンジャーの大ファンすぎて、もう結構話は知ってるって感じです。あらすじはシェアをする(笑)

鈴村)食べ物だけじゃないんですね、シェアされるのは(笑)

愛野)喋り出したらみんな止まらないので、最初から最後まで言っちゃうんです。

鈴村)そうなんですね。皆さんは女子プロレスラーで特撮ヒーローが好きという事ですが、私も特撮の現場とかで良く聞きますが、逆に現場のスタッフやアクションチームの方とかでプロレス好きな方は多いですよ。

中島)それを凄く感じる時があって。最近の戦隊、といっても何年か前になるんですけど、キョウリュウジャーは結構リアルタイムで見てたんですね。なんかアクションにプロレス的な動きがすごく多いなって感じる時があって。ブルーがDDTをしたり。

鈴村)はいはいはいはい!スーツアクターにもよるんですが、プロレス技的な動きが出来る人は「これやりたい」ってアクション監督に進言したりして、アクションに組み込んでもらったりすることがあるんですよ。だから僕が監督した戦隊というか非公認戦隊なんですけども、アキバレンジャーのスーツアクターさんとかも結構みんなプロレス好きで。特にアキバレッドの三四郎君や、ブルーの大島君とかもプロレス技をアクションに入れてましたね。

中島)ブルーが腕十字を取ってました(笑)

鈴村)わりとプロレス技はアクションに入れやすかったりするのかも知れませんね。逆に皆さんのようにプロレスラーで特撮好きの方も結構僕の周りにもいて、試合を観に行った時に「今日僕が試合で履いてるパンツにアキバレンジャーの刺繍つけてます」とか「今日の入場の時のフードって何かわかりました?あれはゴーストの~」とか言われたり。

3人)へえ~

鈴村)もう大昔ですけど“テツワン探偵ロボタック”ってロボコンのような作品があるんですよ。その時にゲストにザ・グレート・サスケさんとスペル・デルフィンさんが来られたんです。デルフィンさんなんかはもうほんっと特撮好きで、皆さんちょっと分からないかもしれないですけど「登場の時にキカイダー01のポーズで出ようと思うんです、どうですか?」とか「キャラクターがある倉庫とか見せて欲しいんですけど…」とか。撮影よりそっちの熱量が強かったり(笑)。サスケさんも仮面ライダーBLACKが好きで、マスクにBLACKのマーク付けてたりとか「仮面ライダーBLACKっぽいポーズをしても大丈夫ですか?」とかね。念のため「おお、どうぞ…。でもBLACKとは名乗らないでくださいね」と。プロレスもある意味では特撮ヒーローと通じるところはあるのかなと思います。

中島)カクレンジャーと同時期にやってたブルースワット、私の尊敬するアジャコングさんの先輩の女子レスラーの方(西脇充子さん)が出演されてて、武装したSWATの 3人を生身で一網打尽にするっていうシーンありました。凄く好きです。

鈴村)ブルースワットは私、助監督やってました。西脇さん、女子プロレスラーの方でしたね。エイリアンに変身するより変身しないで戦った方が強そうなんです(笑)でも西脇さんはもの凄く良い方で、現場で周りに気を遣って下さったり、色々と撮影でも頑張って頂いたりして。

中島)子どもの私はそのシーンに出てるのがプロレスラーだって知らなくて、大人になってからアジャさんに教えていただきました。大人になって映像を見返して「生身でヒーローを蹴散らせる。目指すところはここだ!」って思いました(グッ)

鈴村)でも西脇さんは敵役でしたけどね。ただ、悪役だと確かにヒーローと共演ができますもんね。

中島)はい。もうそっちの方が早いかもしれない。私たち3人の目標なんです。彼女(風城)をいつか、いつか本家に出したいんですよ。

愛野)いつか出したい!変身させたいです。

鈴村)なるほど。でも変身したらね、アフレコは出来ますけど変身後はJAEさんとかになっちゃいますから、肝心のアクションが出来ないですけど(笑)逆に変身出来るのになかなか変身しない役とかいいかも。実際に現場でもアクションが得意な役者さんには、素面のアクションを増やしたりする事もあるんです。

中島)昔は結構着替えたりとかして。どっちもやってましたよね。

鈴村)そうですね。昔のスーパー戦隊は変身前のメンバーにJACさんが入っていることが多かったので、変身前と変身後のスーツアクターを両方やったりとか。

中島)バイオマンとか。先日牧野さんの佃煮屋さんに行ってきたんですけど、オーディションの時は他のアクションゴリゴリの方に混じって床でゴロゴロ転がったり、パンスト破りながらも頑張ったとか。

鈴村)バイオマンの頃は大変だったと思います。バトルフィーバーとかデンジマンでは、後のギャバンをやってた大葉健二さんが中もやってたりとか、春田さんというゴーグルブラックとかダイナブラックをやってた方とかも着替えて、変身後も自分でやってましたね。 

中島)特に昔は毎回のように広い岩場のような現場で撮影が多かったですよね?炎天下とかすごい大変だったんだろうな~と。

鈴村)そういう現場ではテントを組んだりはするんですけども、例えば岩船山とか爆発ができる採石場みたいなところは、本当に日陰がなくて夏場は恐ろしい暑さなんですよ、地面からも上からも。どんなに体力があるアクションチームでも油断すると結構ヘタばっちゃうんですよね。で、戦隊のスーツってタイツ地なので汗かくと染みて黒くなっちゃうんですよ。拭いても乾かないじゃないですか。だからもう水かけて全部濡らしちゃうんです。そうすると1色になるからわからなくなるんです。

愛野)あ、なるほど!

鈴村)なので『ブルーはいつももうちょっと水色なのに、今日濃いな…』なんて思った時は全身水で濡らしてる時です。でもスーツアクターの人もその方が逆に涼しいんで、アクションやる時も楽だったりするらしいです。

風城)そうなんだ~

中島)カクレンジャーは敵に切られるシーンで爆発するとき、スーツのお腹に穴が開くんです。あれは火薬が中に入ってたりするんですか?

鈴村)火薬で服を破裂させるというか、それ用のスーツでやるんですけど、方法としては粉薬が入ってるカプセルみたいなものに火薬を入れてコードを出して、そこで電気を流して破裂させるんです。

風城)受けてみたい(わくわく)

中島)子どもの頃、切られてお腹に穴が開くのが凄く痛そうだと思ってて、ふふふ。 

鈴村)火薬が破裂すると結構痛いですよ。まだブルースワットのような甲冑みたいなものの上に火薬をつけている分にはそこまで痛くないんですけど、スーパー戦隊はタイツですからやっぱり結構痛いんですよね。皆さんプロレスラーだから「こんなんで痛てえなんて言ってらんねえよ」となるとは思いますが。 

中島)なんか違う痛みがあるなと思ってて。プロレスのリングは素肌で膝を着いても擦り切れたりはするんですけど、ゴチンとはならない。コンクリートみたいな硬いところでコケて膝をぶつけたときみたいな痛みはないんです。

鈴村)でも擦りむいたりするんですね。

中島)擦りむいたりはします(笑)プロレスの動きをアクションとして床の上でやったりすると、結構捨て身でもケガしないと私は思ってるので、腹から落ちたり平気でするんです。でも他の皆さん多分、例えばスーツの尖ったパーツとかを壊してはいけないと思ってるからなのか、絶対に足先や手先が先に着くように、凄くバランス調整をしながら立ち回ってるんですよね。同じような動きをしてるけど、アクションとプロレスの違いなのかなと。 

鈴村)ちょっと変な言い方にはなりますが、中に入ってる人たちは良いアクションを見せるために造形物を壊してやれってぐらいの気持ちでやってますよ。壊したって優秀な造形チームがすぐに直してくれるだろうという勢いで(笑)

3人)えええ~!

鈴村)でもそのお陰で造形チームも「またここ壊れてるじゃん。これ違う素材で作るかな」とか、色々と見えてくるところもあったりするんですよね。これなら壊れないだろ。壊せるもんなら壊してみろみたいな感じで作ったり。それに対してスーツアクターさん達もすごい動きをしたい見せたいと頑張るので、ある意味良いせめぎ合いがあったりします。

愛野)へえ~、おもしろい。

鈴村)やっぱり派手なアクションは見ててカッコイイですよね。特にスーパー戦隊シリーズは仮面ライダーとかメタルヒーローシリーズに比べると、美しく華麗にというか。グループヒーローというのもあると思うんですが、例えば五人が綺麗に動きが揃ってるアクションになるようにして作品の差別化をしてますね。最近は少し変わってきましたけど、昔の仮面ライダーなんかは逆に泥臭いアクションが良くて、必死に殴り殴られ命がけで戦ってるみたいな。むしろプロレスに近い感じかも知れないですね。でも基本的に仮面ライダーもスーパー戦隊も造形物が壊れてしまうからアクションを制限するという事はしていないと思います。スーツもマスクもアップ用とアクション用っていうのがあったりするので、それを用途によって使い分けて撮影しています。

中島)我々身体を動かすので、子どもの頃見てたよりもアクションの解像度が高くなって、いかに難しいことをしているのか分かるようになりました。

愛野)子どもの頃はなんとなく「わ~、カッコイイ!すげえ~」って見てたんですけど、プロレスをやるようになってからは「うわぁ、そこでそうやってやるんや、うわぁ、まだやるんや」みたいな。なんか見方が完全に変わりましたよね。

風城)プロレスの中ではファイトスタイルが違うのもあって飛び蹴りとかすることはないんですけど、アクションの中でもプロレスで使えるような立ち回りっていうか、動き方、回し方だなって見つけたら、一旦巻き戻して『あ~、わかんないな。これやってみたいな』って何回も見直します。

愛野)ああ、分かる(うんうん)

風城)このシーン、別角度ないかなって。

鈴村)今では合成を使ってたり、CGとかで実際にそこにある物を消してたりもするんです。普通の動きでは絶対にできないようなワイヤーで吊ったアクションもあるので。上質なCGカットも増えたというのもあり、アクションもだんだん高度になってきたんですよね。その理由の1つに造形物でも、昔は敵の怪獣なんか視界が悪くて本当に動けなかったんですって。それが今は軽い素材があって覗き穴とか見やすくなってるから、高度なアクションが出来るようになったんですね。昔は本当に着るだけで汗だくになって真剣にやれだ、ジャンプしろだ、トランポリン踏めみたいに言われても「こんなの着てできるわけねーだろ!」みたいな状況だったそうです。でも何クソこの野郎!って昭和の精神で「飛んでやらぁ!」という根性と気合でやってたらしいです。

風城)スゴ…

鈴村)今では技術が進歩して「ちょっと視界が悪いですね」と言うと、造形屋さんの方でもうちょっと視界を良くしてくれるとか、その分アクションがしやすくなる。先ほど言った通りせめぎ合いでクオリティが上がってきた背景はあるんです。

中島)結構「真似をしてケガをする」は、あるあるな気がするんです。子どもが真似するってなったら、そりゃプロレスラーだって真似する。

鈴村)「プロレスラーだって真似する」はちょっとわかりませんけど(笑)

中島)わかりやすいので言うと、シャイダーってキックの時にこういう回転を入れるじゃないですか。それを地べたから直は無理だけど、トップコーナーから、降りながらだったらいけるんじゃないかと思って。

鈴村)シャイダーキックをやろうと?

中島)で、まんまとケガをしたりとか。

鈴村)普通にシャイダーキックをやるのは無謀ですよ。いくら身体が頑丈でも飛んだ先にマットがないと。あれはトランポリンとマットがあるから出来るんですよ(念のため感)

中島)出来なかったですね。シャリバンキックはこうやってこう…、これは当てられないなって。でも身につけたいと思ってます。

鈴村)ライダーキックですよね。当てるんなら。

中島)私はいつも片足ドロップキックなんですけど。「ライダーキック!」って言いながらやらせていただいてます(ペコリ)

鈴村)そこは昭和っぽいですね。平成では「ライダーキック!」とか言わないですからね。

愛野)初期からずっとやってますよね。ライダーキック、10年以上やってますよね。

鈴村)じゃあ一日も早くライダーにならないとですね。せっかくライダーキックって言ってるんですから。

中島)いつかお願いします!もう本当に体だけは丈夫なので、受け身はとれます!

愛野)最小ライダー、147センチ(笑)

鈴村)凄いですね。しかし、特撮を見て研究して「今みたいに出来ないかな?」っていう向上心。映像を巻き戻して研究したりとかもそうですけど、やっぱり通じるものってありますか?

中島)はい、あると思います。やっぱりアクションの動き方を研究すると自分たち自身の動きも良くなる。技としてそのまま使えるかどうかよりも、動きが良くなるというのは凄くあるなと思ってて、目が良くなるというか(二人もうなずく)

鈴村)ほうほう。

中島)あと、諦めないスピリッツとか、私は結構自分が試合中ピンチの時に、挿入歌を頭の中で鳴らすんです。ヒーローたちがやり返す時の曲を頭の中でかけたりするんですよ。

愛野・風城)めっちゃ分かる!めっちゃ分かる!

鈴村)皆さんめっちゃ分かるんですね。

愛野)話の中の凄い良いところで挿入歌がかかり出すじゃないですか。それが試合中に自分の中で起きるんですよね。

中島)それで鼓舞するんです。息も上がって、動かない足を無理矢理動かすために曲を頭の中でかけるんですよ。

鈴村)リアルヒーローじゃないですか。

中島)あと、発声が凄く大事だってヒーローに教わって。立ち上がる時に「うおおおお!」って声を出す。この発声が本当に自分のアドレナリンを上げていくので、試合で本当にへとへとで足動かないって時でも発声すると、もう少しだけ頑張れたりする。

風城)(うんうんうん)

愛野)ブーストがかかるんですよね。声を出すのもしんどいんですよ、試合中に。きつい時って本当にもう声も出ない、もう無理ってなるんですけど、そこで無理やり声を出すことでなんかパワーが湧いてくるんです。それはヒーローから学んでますね。

鈴村)実際にそれで鼓舞したりとか、元気が出たりとか力がみなぎるって、それをどんどん発信していただくと、こちらのヒーローを作ってる、やってる側も頑張れると思います。最近の仮面ライダーのクールでスタイリッシュな感じも好きではあるんですが、やはり自分も昭和の熱血漢ヒーローを見て育ってきたので昭和テイストの熱いヒーロー像は好きですね。

中島)平成はカッコイイ路線になってますよね。変身の言い方や仕草もクールだし。私、響鬼が一番好きなんですけど、響鬼は…ね。

鈴村)確かに。響鬼は変身って言わないんですよね(笑)変身の言い方は昭和と平成で変わりましたよね。平成ライダー1作目のクウガで最初にオダギリジョーが「ヘンシン」って短く言ったんです。もちろん台本の流れはあったのですが、昭和と違って伸ばさないっていう。昔は「ヘン~シン!」って伸ばしてたんだけど、やはり時代的に伸ばさない方が2000年の頃には合っていたと思うんです。同じごっこ遊びをする子どもたちも時代によって変わっていってると思うので。この先、仮面ライダーは変身って言わなくなるのかなとも思ったりしたけど、令和になっても変身が脈々と続いているのは感慨深いですね。響鬼は言わないけど(笑)

三人)なるほど~

鈴村)ごっこ遊びなんかする子どもは声出した方がテンションが上がると思うんですよね。皆さんのそういう熱意「自分で頭の中で曲再生する」「大きく声を出す」とかでテンションを上げるとか。なんか今ちょっと昭和テイストというか、ある意味平成テイストっていうのが時代的に少し足りないのかもしれないですね。

中島)カクレンジャーが30周年の時、台本読み合わせの時の発声が違ったっていうエピソードを、東映特撮ファンクラブの副音声付きのやつで見たんです。当時のカクレンジャー陣に対して、敵陣は若い方がやられてて、台詞は生身でも現場の音声は使わずに後でアフレコを入れてたので、現場ではよりオーバーリアクションで台詞を言ってたから、そのテンションで読み合わせをしてたらビックリされてしまったっていう。

鈴村)やっぱりおじ様たちはね、熱量がありますから。軽く「行くぞ!」より熱く「行くぞ!!」みたいなひとつ上の熱量になりますよね。読み合わせとはいえ。

中島)それがなんか凄く良いなと思って。カクレンジャー30周年の変身のシーンでは、なんか身体にガタが来ててスーツのパワーに耐え切れなくて腰が痛くなっちゃう。ブラック以外みんな(笑)

鈴村)ケイン以外は(笑)

中島)でも「うわあぁ~!」って言って立ち上がって鼓舞して頑張るみたいな。そこが凄くカッコイイなと思ったんです!年齢を重ねていくことが凄くカッコイイと感じられて。ケイン・コスギさんの演じてるジライヤと、新人エース怪人のカマイタチの対決があって、その時に「おっさん引っ込んでろ。じじいは現役引退しろ」みたいなこと言われるんですけど、「なめるなよ、今がPERFECT CONDITIONだ!」って言うんですよ!それがむっちゃカッコよくて!

2人)うわあ~(激しく同意)

中島)これは四十代で現役だったら言いたい。それを言えるぐらいのコンディションで頑張っていきたい。

鈴村)カマイタチ的にはきっと視聴者の気持ちを代弁したんでしょうけどね(笑)

中島)あの作品は凄く勇気をもらえたので、ビッグマッチ前とかにはカクレンジャー30周年を見ながら電車で移動して、テンションを上げる。これもあるあるだよね。

愛野)あるあるです(グッ)お気に入りの話が一番テンション上がる。

中島)気合が入る話でとにかくアドレナリンを出して、試合に対して気持ちを、この強い気持ちでって想像しながら現場入りするっていう。

愛野)デカレンジャーの20周年でも、ベテランっていうか先輩になる方のカッコ良さをめっちゃ感じました。自分も先輩になってきたけど頑張ろうみたいな。

鈴村)そうですね、20年経ちましたねデカレンジャー。デカレッドの赤座伴番もね、キャラがキャラだから若い感じはするけど、先輩的な貫禄は出てましたからね。

中島)デカの20周年で若者に次の道を譲るんじゃなくて「俺がずっと真ん中張ってやる!」このセリフ!

愛野)それが良いんだよ~。

中島)この精神、何年プロレスを続けてても忘れてはいけないなと、本当に思います。

愛野)ほんとに思います。

鈴村)さっきも言いましたけど、差別化するために今の仮面ライダーはクールにカッコ良くアクションする、それに比べてスーパー戦隊はやっぱり熱量みたいなものが凄くある。特に昭和だったり平成初期のものだったりすると余計に当時の熱量が高かったんで、周年ものをやると必然的に熱くなる。特にカクレン30周年ってニンジャレッドの小川さんが中心になってなんとか30周年をやりたいって動いて実現したものなんですが、これは東映のスーパー戦隊シリーズ初の30周年記念映像作品なんですよね。これって本当に凄いことなんです。役者自身がプロデューサー業も兼ねて作品を作る。自分達で企画して自分達で演じる。否応無しに熱くなりますよね?その想いも芝居に出てるんだと思います。ただでさえ昭和の人たちは熱いですから(笑)

中島)小川さん、凄く熱血漢。オーディションの時に自分の強みは何だって聞かれて「東京から奈良まで走って、僕はここからここまで走れます!」みたいなことをおっしゃったり。たまにマラソンとかやってらっしゃるのをSNSで見るんですけど。次のオーディションまでに免許を取ったりとか、車乗らなきゃいけなかったので取るっていう。

鈴村)昭和はそういう意味では時代的にも熱かった。例えばこの間最終回を迎えたゴジュウジャーの雰囲気とカクレンジャーの感じとは同じスーパー戦隊でもちょっと印象が違うかなと思いますね。時代が違うので当たり前なんですが。

中島)最終的に根性論なところが。理屈じゃなくて根性論みたいな。そこも凄く素敵だなと思います。

鈴村)無敵なやつに対してもね「うるせえ!なにが無敵だ!気合いで勝つ!とにかく気持ちだ!」みたいなね。いやいや気持ちって、それ言ったら何でもありじゃないって思う時ありますけどね(笑)

中島)結構グーで顔を殴りがちなんですよ。この右フックがカッコ良くて、結構こうパーンってくる(愛野選手に拳を振るう)

愛野)ちょっと!プロレスでは禁止ですよ(汗)

中島)ダメなんですけど、これ凄くカッコ良くて。ここ一番に出る顔面をぶん殴るグーをいつか切り札にしたいと思って。

鈴村)いやいや、切り札でもダメですよね?引退させられちゃいますよ、グーをやったら(笑)

ーー熱気を帯びてきた対談、後編に続きます!


<大会概要>

【大会名】GRAND PRINCESS ’26

【日時】2026年3月29日(日) ロビー開場12:30 開場13:00 開始14:00

【会場】東京・両国国技館

【チケット】

https://x.gd/VoKCc


<プロフィール>

■中島翔子(SHOKO NAKAJIMA)

吉本興業の東京NSC16期生で、お笑い芸人として活動したのち、東京女子プロレス入り。旗揚げメンバーの一人であり、ハイパーミサヲとのタッグ「享楽共鳴」で明るく楽しく激しいプロレスを展開している。今年は2・8後楽園ホールでミサヲとともにタッグトーナメント初制覇を飾ると、3・16大田区総合体育館で121000000を撃破し、享楽共鳴としてプリンセスタッグ王座戴冠を成し遂げた。4月5日、アメリカMLWにてデルミ・エクソを破ってMLW女子世界フェザー級ベルトを奪取。日本国内で鳥喰かや、アメリカで上福ゆきから防衛している。

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■愛野ユキ(YUKI AINO)

実姉は天満のどか(2022年引退)で、実は2代目リングアナウンサー。2024年夏のシングル・トーナメント「第11回東京プリンセスカップ」は6度目の挑戦にして初の準優勝を飾った。らく、原宿ぽむとは推し・推されで成り立っている“三角関係”としてトリオを組むことが多い。10・18後楽園ホールでは渡辺未詩の持つプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦するも惜敗。

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■風城ハル(HARU KAZASHIRO)

Amazonプライムで放映された『ぶらり路上プロレス』の東京ドイツ村の会に出演してきた伊藤麻希を通して東京女子プロレスを知ってファンに。伊藤のほか、爆れつシスターズを応援して、天満のどかの卒業試合を見て自分もレスラーになることを決意した。「ねくじぇねトーナメント’24」で凍雅を破って初優勝。趣味は特撮やアニメ。

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■鈴村展弘(NOBUHIRO SUZUMURA)

1992年『特捜エクシードラフト』で助監督として業界入り。石田秀範監督を師事し、2000年『仮面ライダークウガ』で監督デビュー。2003年実写版『美少女戦士セーラームーン』の監督。以降、仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズで多数の作品を監督・演出。

「youtube鈴村監督のグラサンナイト」好評配信中

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インタビュー後編はこちら!

https://creators.ticketpay.jp/archives/4160

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